映画「鳳凰(簡体字で“凤凰”) (英題:rossing Over、邦題:鳳凰 わが 愛)」 監督:金琛(ジヌ・チェヌ) 出演:中井貴一、苗圃(ミャオ・プゥ)、郭濤(グォ・タォ) ほか 公開:2007年11月30日 この映画「鳳凰」は、日中国交正常化35周年を記念して製作された映画 である。 あらすじは… 1914年、恋人を助けるために人を殴り、刑務所に入れられた主人公の 男性は、刑務所内で恋人が亡くなったことを知る。 彼は復讐のための脱走を試みるが失敗…。 そんな時、暴力夫を殺して刑務所に入れられ、刑務所内で身投げをした 女性と出会う。 脱走を失敗した男性、身投げをするも助かってしまった女性…。 人生に絶望した彼らは、刑務所内で反抗的な態度を取ったため、刑務所 の中で同じ過酷な重労働に就かされる。 彼らは、互いに助け合ううちに、いつしか心を通わせ合うようになる。 しかし、時は中国動乱期の時代。 中華民国が誕生してから、20年代には蒋介石の台頭、その後、満州事変 が勃発し、日中戦争が始まり、国共内戦の時代へ。 男女共同だった刑務所も男女別々となり、二人は離れ離れに…。 そして、二人は逢えないまま、三十年の時が過ぎ…。 このストーリーは、金琛(ジヌ・チェヌ)監督が、新聞聞記事で読んだ実話を 元に作られたのだそうである。 2003年に中国映画進出を果たした中井貴一が、この映画で4年ぶりに 中国映画に出演。 今回は、プロデューサーも兼ねていたそうだ。 中国人出演者ばかりの中で、中井貴一は唯一の日本人。 日中合作と言えど、スタッフも中国人ばかりで、撮影は大変だったのでは ないかと思うが、さすが実力派俳優、渾身の演技が冴えていた。 日本人役なのだが、中国で育ったため、日本語は喋れないという役。 中国語のセリフの大部分は、吹き替えだったらしい。 吹き替えはどうしても違和感がつきまとうものだが、今回の中井貴一の 吹き替えに限っては、私的には違和感なく観ることが出来た。 口の動きとか、大変だっただろう…。 この映画の音楽を担当したのは、日本で映画やドラマの曲をたくさん手掛 けている日本のユニット、S.E.N.S.。 しみじみとした映画によく合う音楽が素敵であった。 恋人役の苗圃(ミャオ・プゥ)、刑務所で主人公と友となる役の郭濤(グォ・ タォ)の演技も素晴らしかった。 商業的な大作が次々と作られる中、このような静かで心に沁み入る文芸 作品も作られているのは喜ばしいことだと思う。 (しかも、この映画、日中合作で作られたことが嬉しい。) たくさんの人に観て貰いたいものである。 <お知らせ> 年末年始、しばらくブログをお休みします 皆様、良いお年を…
by yuzitj
| 2007-12-28 06:00
| 映画
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